お知らせ&イベント

2018.01.01 お知らせ

年頭挨拶

年頭挨拶

新年あけましておめでとうございます。

 年頭にあたり、昨年一年間の当協会の活動を振り返ってみたいと思います。一言でいえば、様々なことが次から次へと起こり、変化の目まぐるしい年でありました。
 2017年は米国でトランプ大統領が就任以来、同大統領の発言によって、世界の政治経済において重大ニュースにこと欠かない一年でした。また、英国のEU離脱の動きのみならず、欧州全体の分裂が懸念されるような動きが気になる年でありました。我が国においては、東京都議会選挙における地域政党の勝利、衆議院選挙における自民党の圧勝、民進党の分裂などの政治動向はありましたが、日経平均株価は20,000円台を回復し、企業収益も好調に推移した経済状況の年でした。政府は「プレミアムフライデー」に見られるように、働き方改革、生産性革命、グローバル人材育成のための政策を進める方針を掲げています。しかし、大手企業の粉飾決算、品質の偽装、経営破綻(てるみくらぶ等)、コンプライアンス上の問題や、企業統治の脆弱性が次々に表面化した年でもありました。
 INCAの事業活動を振り返ってみると、「月例会」におきまして、「非正規労働者の格差是正と長時間労働の取締」(1月)、「近時の知的財産の話題から」(3月)「消費者契約法・特定商取引法等の改正検討状況」(4月)、「改正個人情報保護法の総点検」(5月)など企業内法務に直ぐに役立つテーマや、「ファイナンス法務の基礎知識」(10月)、「法務担当者のための企業再編における税務・会計のポイントと法務における留意点」(11月)など馴染みの薄いテーマを取り上げ専門の弁護士に解説していただきました。また、法務担当者のスキルアップのため、「なぜ、事業活動においてコンプライスは重要か?」(6月)、「法務の出番です!―交渉で活躍するためのマインドと基本テクニック」(7月)、『本にはあまり載っていない「契約者審査」と「訴訟対応」の実務対応』(12月)のテーマをディスカッション形式で行い、活発な発言、議論したテーマの発表など有意義な意見交換を行う研修の場を提供できたと思います。
 各種研究会活動は会員の皆様により自主運営されており、外部の弁護士や大学教授等の識者を講師に招き各分野におけるテーマで意見交換を行いました。「労働法研究会」では研究成果を出版の形にすべく最終の校正を行っております。
企画イベントとしまして、8月に「企業法務担当者と法科大学院生との交流イベント」を上智大学でおこない、また、11月に同志社大学 今出川キャンパス良心館にて、INCA会員企業、経営法友会会員企業およびその他非会員企業とロースクール生および企業内法務実務家との交流会開催を行いました。また、アジアリーガルビジネス(シンガポールの団体)と都合3回のイベントサポートおよびINCAより登壇者派遣を実施しました。
 9月の夏季研修合宿は湘南葉山のIPC生産性国際交流センターにて、49名の参加者を得て実施しました。研修テーマは一日目が「民法(債権法)改正」、二日目は①コンプライアンス推進の悩み、②法務部門運営の悩みのグループに分かれ、ディスカッション形式で活発な意見交換が行われ、懇親会、二日目昼のレクレーションの場を通して親交を深めていただけたと思います。研修会後のアンケートでも有意義な交流であったと感想が寄せられていました。
 広報部会の取り組みとして、長年の懸案事項であったINCAホームページのリニューアルが8月7日に開設し、新たな情報発信、共有のインフラの整備ができました。
 これらの多岐にわたる活動は各部会の理事、幹事の方々はじめ会員の皆様の当協会へのご理解とご協力の賜物であり、御礼申し上げます。

 このようにグローバル化、ITを含む先端技術による新しいビジネスモデルの創出、複雑化、多様化あるいは今までにないタイプのビジネス形態(シェアリング・エコノミー等)の発生等、私たちの企業を取り巻くビジネスの状況は、ますます複雑化し、従来的なリスクマネジメントの視点のみでは、把握しきれない状況がきています。したがって、そうした変化を楽しみながらも、ビジネスの成長のために活躍できる法務人材の確保がクローズアップされています。法務部門に求められる役割も「様々な法令や自主基準、ガイドラインなどの枠組みに関するエキスパート」から健全に企業の「ビジネスを守り、かつその成長に貢献すること」が法務部門の役割として問われています。
 国際企業法務協会(INCA)は、今年2月に創立30周年を迎えます。国内外の法的な諸問題をはじめ、企業内法務における諸問題を会員の皆様と調査、研究、情報交換を通して取り組んで参ります。会員の皆様のご要望をお聞きし、法務担当者・責任者のスキルやマインドの向上を図りながら健全な会員相互の親睦を目指して行きたいと存じます。また、企業内法務に関する団体として、積極的に他団体、機関との提携、協同を行い、企業内法務業界の健全な発展を目指して参ります。また、INCAの活動に参加することが、企業内法務担当者・責任者にとって、キャリアの形成に役立つような質の高い企画の提案・実施により、会員企業のみならず、企業内法務の仕事に携わる全ての人々に対して、「よい影響を与える」存在であるよう、理事・幹事・事務局一丸となって活動を推進して参る所存です。

 特に今年は30周年の節目の年であり、皆様の協会活動への更なる積極的な参加とサポートをどうぞよろしくお願いいたします。

国際企業法務協会
会長 北島 敬之